マーケティング

訴求ポイントの組み立て|『らしさ』が基本

訴求ポイントを決めましょう。まずは顧客の設定から。

訴求ポイントを決めよう

情報を伝える場合、効果を最大化するためには『訴求ポイント』をうまく決め、情報を絞り込むことが求められます。広告はもちろん、WebサイトやSNSなどでも、必要な情報をうまくまとめ、的確に表現することで、情報の伝わりやすさや結果に格段の差がでるのです。

訴求ポイントがズレてしまっていると、どんなに優れた商品・サービスでも、その良さがうまく伝わらず、思ったような効果を得ることができません。しかし、分かっていても実際には難しいことです。今回は、訴求の組み立て・訴求ポイントの考え方や、より伝わる表現についてまとめてみたいと思います。

 

マーケットインとプロダクトアウト(商品・サービスの成り立ち)

訴求の中身を考える前に、商品・サービスの成り立ち。『マーケットイン』と『プロダクトアウト』について考えてみましょう。

 

従来両者は、

  • マーケットイン:顧客が、より求めるものを提供する
  • プロダクトアウト:作り手・発信者の理論を優先させて作ったものを提供する

という二元論で語られることが多く、『プロダクトアウトは古い・良くないもの。』『マーケットインでないといけない。』といった意見が中心でしたが、近年は『両者は相反するものではない』とする考えが主流になっています。

 

例えば、AppleのiPhoneやSONYのウオークマンは、顧客のニーズが起点になっているのではなく、(もちろん顧客ニーズとの『すり合わせ』はあったのでしょうが)作り手の強い思いを起点に成功につながったプロダクトアウトの事例といわれています。

当時の市場に『ボタンではなくタッチスクリーン式の携帯電話』『アプリケーションを自由に追加できる携帯電話』『再生機能しかない小型で屋外にも持ち出すことが可能なステレオ』は存在しなかった訳ですから、顧客にニーズ調査を行っても出てくるとは考えにくく、作り手が提示してはじめて価値が分かる、プロダクトアウトが起点となっている商品です。

 

マーケットインとプロダクトアウトそれぞれの特徴を踏まえ、自社に合ったバランスで融合させ、取り組むのが、成功への秘訣と言えるでしょう。

 

メリットデメリット
マーケットイン・顧客ニーズにマッチした商品・サービスを提供できる
・(プロアクトアウトに比べ)売上が予測しやすい
・大きなヒット商品が生まれにくい
・競合にマネされやすく価格競争になりやすい
プロダクトアウト・自社の技術力・ノウハウを生かし独自性を出しやすい
・大ヒット商品になる可能性がある
・自社内に技術やナレッジが蓄積される
・市場ニーズにマッチしないことがある
・売れない場合のリスクが大きい

このように、マーケットイン・プロダクトアウトそれぞれにメリット・デメリットがあります。
『自社の技術力・ノウハウを生かし、市場にまだ出回っていない独自の価値を提供することで、顧客自身もまだ気づいていないニーズを満たす商品・サービスを提供する』
を目標に両者を融合させ、理想的なマーケティングを行いましょう!

 

ターゲットの明確化が訴求ポイントの明確化につながる

効果的に情報を伝えるためには、まず、伝える相手を決める必要があります。同じ情報でも受け手の状況によって受ける印象が違ってくるからです。

BLOGや広告、SNSなどでも、どのような相手に情報を伝えるのかを明確にすることは、ひいては その相手が求めている内容や表現などの『(効果的な)訴求ポイント』も明確にすることにつながりますので、結果として相乗効果的に『伝わる訴求』を形作ることに役立つのです。

 

ペルソナを設定してみよう

伝える相手を明確にするために、よく使われるのは、『ペルソナ』を設定する方法です。
『ペルソナ』は、自社商品・サービスの『典型的な顧客』のことで、様々な情報を設定することで『悩み』『希望』などを導く手法で、ここでは詳しく述べませんが、Soup Stock Tokyoのペルソナ『秋野つゆ』やカルビーのジャガビーの例などが有名です。

 

ペルソナの設定項目には、様々なものが考えられます。

属性・ライフステージ情報年齢、性別、住居、職業、家族構成 など
パーソナリティ情報性格、価値観、こだわり、過去・子どものころの経験 など
ライフスタイル情報普段読んでいる雑誌・よく見るテレビ番組、休日の過ごし方、情報感度(新しいもの好きで積極的に取り入れるか? など)、仕事・学びへの意識と実態 など
周囲との関係性参加コミュニティ、SNSなどの利用状況・リテラシー など
対象カテゴリー・自社との関係性利用頻度・利用状況、自社商品の認知 など

他にも設定項目は様々なものがあげれますが、目的に応じて必要なものを、選んで始めてみてください。

あくまで目的は『悩み』『希望』を導くことです。項目を増やしムリに埋めるよりも、『実際にその人物が実在しているかのようにイメージできる項目を選び、設定することが大切です。

また、ペルソナは一人ではなく、メイン顧客・サブ顧客…といった具合に複数人設定しておくことで、より広いニーズをつかむことが可能になります。思い込みだけでなく『実際にいそうな人物像』を作ることをポイントに、考えてみるのがおススメです。(もちろん弊社でもサポートさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください

 

STPマーケティングで訴求を組み立てる

マーケティング論のフィリップコトラーが提唱した考え方に『STPマーケティング』があります。
STPマーケティングは、Segmentation(市場細分化)、Targeting(標的市場の決定)、Positioning(自社の立ち位置の明確化)の3つの頭文字をとったもので、市場のニーズを満たす価値と自社商品・サービスの位置(Positioning)を考えるためのプロセスです。

 

簡単にまとめてみましょう。

  1. Segmentation(市場細分化):

    市場におけるニーズをグルーピングし、細分化します。ポイントは『ニーズで』分類することです。何らかの施策を行う場合、施策はニーズに合わせたものを形作ることになります。年齢や性別などといった分類で、ニーズとリンクしていない場合は、施策・戦略への活用は避けた方が良いでしょう。

  2. Targeting(標的市場の決定):

    細分化した市場のうち、競争優位を得られる可能性が高い市場を選びます。以前『差別化とポジショニング|何を訴求すればいいの?』でも書いたように、『手軽軸』『商品軸』『密着軸』といった3つのポイントを意識したり、感覚的要素による差別化を意識したり、さらなる市場(対象者)の絞り込みを行うことなどで、自社が勝てる市場を見つけることが大切です。設定したペルソナは、この「勝てる市場」に含まれていることになります。

  3. Positioning(自社の立ち位置の明確化):

    細分化・選択した市場での顧客へのベネフィットを明確にし、ペルソナの悩みを解決できる手段(ツール)として、自社商品・サービスを訴求します。

    『ベネフィット』は、商品・サービスから得られる価値、顧客の問題点の解決策を意味します。中華料理屋でラーメンを食べる時のベネフィットは、『空腹を満たすこと』かも知れませんし『くつろいだ時間を過ごすこと』や『今まで食べたことのないものを食べた感動・驚き・満足感』かも知れません。

    単純に「他社より優れている」と伝えるのではなく、「なぜ優れていると言えるのか」といった信頼を得るための情報を添えたり、さらに踏み込んで『他社と違う価値を提供できる「ツール(手段)」』として情報を組み立てることで、より効果的にベネフィットを伝えることが可能になり、他社との差別化・独自化につながります。

    『(機能面などの)差別化』は、競合他社にマネされやすいため競合を生みやすく、価格競争を引き起こしやすいため、注意が必要です。顧客の悩みを深掘りし、視点を変えることで、独自化を行うことが求められています。マーケットインとプロアクトアウトの融合型で成り立っている自社の商品・サービスがどのような特徴を持っているのか?それがペルソナのどのような悩みを解決できるのか?なぜそう(解決できると)言えるのか?を考えることが、施策を成功に導くカギとなります。

 

訴求表現は『らしさ』が基本

STPマーケティングのあとは、具体的な訴求表現を考えます。顧客へのベネフィットを、具体的にどのような表現で伝えるのが効果的か?様々な手法・考え方がありますが、ポイントとなるのは『顧客から見て、そのブランドらしい表現』を使うということです。

ベネフィットはもちろん、それに付随して、『価格』『提供するための流通・インフラ』『顧客とのコミュニケーション』なども準備が必要になりますが、これらはすべて、『そのブランドらしさ(ブランディング)』をベースにした表現が基本となります。

顧客の中にあるイメージとマッチしない『らしくない価格』や『らしくない流通』は、失敗につながりやすいものです。(良い・悪いではなく)例えば家電量販店で売られている高級バッグと専門店で売られている同じバッグでは、受ける印象・らしさが違うと感じるでしょう。

 

また、『ブランディング』というコトバから、高級品を連想してしまう人も多いかも知れませんが、本来ブランディングは、高級品のためのものではありません。例えば、『ガリガリ君』は希望小売価格70円(税別)と低価格ですが、多くの顧客を掴んでおり、他社の数百円で販売されている『高級アイス』と同じように店舗に陳列されていても、『選ばれて』買われています。

多くの顧客は、高級アイスを買いたいところを『妥協して』ガリガリ君を買っているのではなく、あえて自主的に選んでガリガリ君を買っているのであり、(価格も含めた)ブランディングが成功している例といえます。

ガリガリ君と高級アイスは、パッケージや広告展開、Webサイトなども含め、顧客からの『見え方』が違います。この見え方を最適化し、『らしさ』を形作ることこそがブランディングの基本といえます。

ネット広告でもSNS運用など広義のプロモーションでも、このように『そのブランドらしさ』を基本に、あるべき姿を考え、たくさんの『伝えたい情報』から本質となるものを選ぶことが、成功への第一歩と言えるのではないでしょうか。

 

『らしさ』を形作り・アプローチを組み立て

私たちは、『まずやってみる』をキーワードに、既存事業の発展・新規事業創出の様々なシーンのお手伝いを行っています。『そのブランドらしさ』を形作り、顧客への効果的なアプローチを組み立て、実行する。小さなイノベーションから大きなイノベーションまで。お気軽にご相談ください

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