イノベーション・共創

イノベーションアジェンダを作る

今回は少し前のブログで触れました「イノベーションアジェンダ」について書きたいと思います。
あまり聞きなれない言葉だと思いますし、Googleで検索してもあまり出てこないワードです。

聞きなれない言葉ですが、要は自社のイノベーションについて、背景や目的、それに対する施策、当面のGoalなどを纏めた資料です。
なので、作るのは難しくありません。

基本的にこれらの内容は自社でイノベーション(新しいこと)を始める際に会社に対して
(社長や役員、上長など担当者の立場によって話をする先は違ってきます。)話をし、
理解なりコンセンサスを得ているはずなので、イノベーションを推進するメンバーからすると至極当たり前のことなんですが、
イノベーションに取り組み始めて少し時間が経つと以下の症状や事象が現れることが多いです。

あっ、ちなみにこれは前回と同様で中小企業でのイノベーションを想定しています。
大手企業やスタートアップ企業には当てはまらないことが多いと思うのでご注意下さい。

 

症状1:忘却の方々

・「イノベーションって何でやってるんだっけ?」

・「それって何の意味があるんだっけ?」

それなりの役職者から理解のない言葉が投げかけられます。

何かよく分からないことや本当の意味で理解できていないことはすぐに忘れてしまうってことみんなありますよね。
その人からすると、あの時の自分は(自分たちは)何にGOサインを出したのか、
何に対して「Yes」と答えたのか、忘れちゃったから確認しよう!
ってくらいのものなんでしょうけど。
もう一度説明すると、話をひっくり返されるのではないか、
その方の理解と違っていて、怒られるのではないか、
担当者からすると怖いですよね。
でもね、その方もきっと悪気はないはずなんです。

「いやぁ、前も説明したじゃないっすか~」
って冷や汗書きながら再度プレゼンすることになります。

 

症状2:不器用で無遠慮な方々

・「それっていつ儲かるんだっけ?」

・「一発当ててね」

いつ儲かるの?という無遠慮な問い。怖いですね。
でも意外とこれ多いですよね。(うんうんと強く頷く人が多そうw)

担当者からすると、これは忘却より嫌じゃないですか?
本当の意味で事業の心配をしてくれているのか、はたまた違うのか、判断がし辛いです。
とても嫌味に聞こえなくもないですしね。
根本的な理解がないようにも感じてしまいます。
イノベーションは投資をし、将来それを回収することを狙うわけですが
担当者は日々「成功するのか?自分たちの仮説は間違っていないか?」とプレッシャーと闘っています。
そこへ来てこの質問は、本当に無遠慮ですね。
でもこの無遠慮な問い、不器用な人に多いんですよね。
「がんばってるか?」とか、「最近どう?」って聞くのと同じニュアンスで
かける言葉が見つからずに、
「面白いことやってるんだろ?それっていつ儲かるの?」って聞いちゃう。
俺も興味あるんだぜ!って裏返しの質問だったり。
無遠慮に聞こえるんですが、悪意はそんなにないケースも多いです。

 

「いやぁ、なかなか難しいっすね~」
って答えながら相手が意図的に無遠慮なのか、不器用な方なのか、
探りながらの攻防になりますね。

 

症状3:ちゃぶ台をひっくり返す人たち

・「いつまでやるの?もう辞めればいいじゃない」

・「そもそも、こんなことがホントにしたかったの?」

そもそもどうなんだ?という問いですね。
一番怖いやつですね。経営者や管理部門、営業部門の方に多いパターンです。

こういうパターンって、自分たちが期待していた結果やモノがなかなか見えなくて、
きっと少しずつストレスが溜まっていくんだと思います。
で、何かをきっかけに「俺が思ってたのと違う!」って感情が爆発するんですね。
でも、その「俺が思っていた」というのも当初の思いから変わっているでしょうし、
本人の記憶も怪しいものです。それに「俺が思っていた」が正しいという根拠もありません。

こうなると対処が難しいです。
相手は感情的な場合が多いので、少しアプローチを変えないといけません。
下手をすると自社のイノベーションを終わらせることになりかねません。

「一度改めてご説明の機会を持たせていただけますか?」
くらいしか対処のしようがないですね。

 

嫌ですよね、大変ですよね。特に症状3は恐怖でしかないです、
なので、そんな症状が出ないように、イノベーション・アジェンダを最初に作成しておくのです。

内容は以下です。
・背景
・目的
・施策①
・施策②
・その他施策あれば
・当面のGoal
・当面のKPI

 

例えば老舗のお菓子屋さん(メイン商品は「かりんとう」)を例にしてみます。

 

–イノベーション・アジェンダ–

【背景】
・主力商品の「かりんとう」の顧客は7割が高齢者(60歳以上)
・今後は新規商品の開発と共に、新規顧客の獲得が必要

【目的】
・新規コア商品の開発
・若年層の新規ユーザ獲得

【施策】
・既存商品の商品力を活かして、ユーモアな広告展開し、新規顧客の獲得
・SNS活用→新規顧客とのリアルな会話

【Goal】
・n年後に新規商品の売上が全体売上の2割
・リーチできる顧客データ(SNS含む)で40歳以下を3割に

【KPI】
・初年度新規商品アイデア数1個/月
・SNSにフォローとリツイート数100増/月

こんな感じです。

エクセルでもパワーポイントでも何でもよいと思います。
そこは組織の文化や、周りが好むモノに合わせて下さい。

これを作っておけば、症状1~3に対しての対応が比較的容易になります。

忘却の方々に対しては、
【背景】と【目的】、【施策】を伝えればOKです。
そうだったっけ?と話を蒸し返されるリスクが低くなります。

不器用で無遠慮な方々に対しては、
成功に向けて頑張っていることと、
そして現状の【Goal】と【KPI】をあらためてお伝えすれば理解していただけると思います。

ちゃぶ台をひっくり返す人たちに対しては、
アジェンダ全体を振り返ってお話をすれば感情的な話にならず
建設的な話の場を持てるのではないでしょうか。

ぜひ試してみて下さい。